住空間を構成する重要な3要素は、天井、壁、床です。
このうち、床は、日本人の生活様式にあっては直接肌にふれ、触覚、メンテナンス上、重要な部分です。
床材には各種ありますが、ほとんどの場合、何らかの形で、カーペットが用いられますから、実際のインテリアコーディネートの場では、カーペットの選択が、その部屋の個性と機能を決定づける重要なポイントとなります。
このブログでは、カーペットの歴史から、種類による性能、特長をふまえ、部屋の状態と目的にあったセレクトのポイント、メンテナンスまで、コーディネーターとして、知っておきたい基礎知識を数ページにわたり、ご紹介します。
現代の住居とカーペット
■ カーペットとは
床に敷く繊維を用いた敷物を総称して、カーペットと呼びます。
カーペットの名は、今でこそ、床に敷く物に限られますが、19世紀までは、テーブル掛け、ソファ掛けなど、各種カバー類にも用いられていました。
カーペットが、一般的には一定の場所に敷きつめられるものをさすのに対し、ラグは、任意の場所に随時にしける小型のもの、マットはさらに小さなものをさします。
製法等は、ラグ、マットもカーペットに準じます。
まお、タペストリーは、主に壁に掛け、壁を覆う役割を果たす綴織の織物のことをいいますが、ラグをタペストリー式に用いたり、逆にタペストリーをラグ風に用いられたりと、デザイン・製法の多様化とともに、コーディネートにも幅がでてきています。
■ カーペットのインテリア効果
①デコレーション効果
素材を問わず、その色彩と柄の豊富さにおいて、インテリアのカラーコーディネーションに、重要な役割を果たします。さらに、素材、テクスチャアにより、さまざまな、雰囲気をだすことができます。
②肌さわりのよさ
椅子の生活が主流になってきたとはいえ、靴を脱いで暮らす日本人の生活では、欧米以上にカーペットの持つ肌さわりのよさ、弾力性が重視されます。
③保温性、断熱性、吸音性
素材により、その効果に幅がありますが、カーペットの中に含まれる空気の断熱性によって、冬は暖房効果、夏は冷房効果が高まります。素材によっては、吸湿効果もあります。
④吸音性
テクスチャによってその効果に幅はありますが、オーディオのほか、足音、物を動かす音など反響を防ぎます。
⑤安全性
室内での人のけが、物の破損などの度合が少なくなります。
⑥床面の保護
日常的に人や家具の移動に耐えなければならないのが床材ですが、この床材を覆うことによって保護します。
ウォール・トゥ・ウォール(敷きつめ)のカーペットは、空間に広がりを与えます。
家具の前、ドアの前等々、数種類の装飾的なラグを敷いた伝統的なスタイルです。
カーペットで、スペースを視覚的に区切った例。フローリングの床が通路の役割を果たしています。
いかがでしたか?
次回もお楽しみください。